「スイミー」について考えてみる
小学生のころ、国語の教科書に載っていた「スイミー(Swimmy)」っていう話を憶えてますか?
ほとんどの人が思いつく大まかな話は以下の通りだと思います。
小さな赤い魚の群れの中に一匹だけ黒いスイミー。でも泳ぐのはだれよりも速い。
ある日仲間たちは大きなマグロに食べられるが、スイミーはただ一匹逃げる。
海の中を泳ぐスイミーはさみしくこわい気持ちだったが、素晴らしいもの・面白いものが
いっぱいあって、そんなものを見るたびにだんだん元気を取り戻してきた。
そのときスイミーは大きな魚におびえる小さな赤い魚たちを見つける。
スイミーは自分が目になり、みんなで大きな魚のふりをして泳ぐことを考えつき、みんなで大きな魚を追い出した。
なぜ急にスイミーの話をしているのかというと、たまたま以下のサイトを見つけたからです。なお、上のあらすじも下記サイトからの引用です。
小学生の頃からずっと、この話は上記サイトに書かれている通り「みんなで力を合わせるとすごい力を発揮できる、といった協力の大切さを語った絵本」だと思っていました。
実は「協力が大事」なんていう単純な教訓話ではなかったんですね。国語の教科書だから教訓を強調した話になってしまったのは仕方のないことかもしれませんが、作者の意図しない形で広まってしまったのは残念という気がします。
会社員という境遇を離れて未知の世界をさまよっている者としては「孤独の中で自分とは何かを意識し、自己認識を深めていく話」というのは非常に共感できます。久しぶりに読んでみたいと考えていますが、このページを見て遠い記憶の中からスイミーが浮かび上がってきた人もぜひ。
小学校を卒業して約40年ですが、こういう新たな発見があるのは何歳になっても楽しいものです。
ここからは、自分が小学生のときにいろいろと考えたことを思い出してきたので、それを書いておきます。こんなことを考える小学生が一般的かどうかはわかりませんが、しばらくお付き合いください。
小さな魚が集まって大きな魚のふりをするというのは、普通は下のイラストのイメージだと思います。原作の絵本のイラストも、ほぼこういう感じです。
しかし、何か疑問に思いませんか?
たしかに横から見たら大きな魚に見えます。しかし正面から見たらどうでしょうか。
単なる一直線になってしまって、魚には見えません。追い払いたい大きな魚にうっかり正面を見せてしまったら「なんだ、ハッタリじゃねえか」とばれてしまいます。
このため、ばれないようにするには大きな魚のまわりをぐるぐる回るしかありません。はたして、これで大きな魚を追い払えるでしょうか。
解決策として考えられるのは、2次元ではなく3次元の立体形状として大きな魚の形を偽装することです。これなら正面から見ても何とか魚の形に見えそうです。
ただし、黒い色をした魚がスイミーだけなので、この状態では目が片方しかないことになります。したがって、うっかり反対側を見せると大きな魚に「あれっ?」と疑問を抱かせることになります。
このため、向きを変える際にスイミーが素早く反対側に移る必要があります。これなら何とか大丈夫でしょう。
以上から、大きな魚を追い払うために必要なのは以下の2点。
- 2次元ではなく3次元形状で大きな魚の形を偽装する
- 向きを変える際にスイミーが反対側に移る練習を十分にやっておく
これで、めでたく問題は解決するようです。小学生の自分は、ここまで考えて安心しました。
もし「自分はこんな解決方法を考えた」という人がおられましたら、ぜひメッセージを下さい。
ところで、小さな魚が集まって本当に大きな魚に見えるかどうかですが、これは十分に可能です。例えば、有名な下の写真。
これはシーサーペント(Sea Serpent)の写真とされていて、未知の海洋巨大生物として UMA を扱った書籍やサイトなどに載っています。しかし、こんな巨大生物が現れているというのに、ボートに乗っている人が随分のんびりしてますね。
同様に、ネット上ではこんな写真も見つけることができます。
夢を壊してしまって申し訳ないのですが、これらの正体は大きな魚群です。これは以下の動画を見ればわかります。
知らずに見たら、未知の巨大生物と思ってしまうかもしれません。私はダイビングを趣味としているので、いつかこういう巨大な魚群に遭遇してみたいものです。
ネット上で約40年ぶりにスイミーの話を見かけたので、これからいろいろと連想したことをコラムとして書いてみました。ふざけた内容ですみません。
次回はもっとエンジニアリング的に役立つ内容をアップする予定なので、ご容赦ください。